【日本トーマス・シェリング経済学協会のご案内(発起人挨拶)】



日本トーマス・シェリング経済学協会のご案内(発起人挨拶)



 失礼いたします。日本トーマス・シェリング経済学協会発起人の中村寿徳です。

 私は、元々、会社務めで、石油関連の比較的小さな会社に勤務、情報科学の知識を評価され、取引先であったエクソンモービルのジョイントセクションに5年程行く機会をいただきました。エクソンモービルといいますと、日本では馴染のない企業かも知れませんが、米国を代表するロックフェラーグループの中核企業で、世界最大の民間企業といえば、お分りになる方も多いかも知れません。特に社を率いていらしゃったデイビッド・ロックフェラー氏やリチャード・ロックフェラー氏は有名で、ご存知の方も多いとは思います。
 20代の約半分をエクソンモービルのオフィスで様々な石油元売りの方々と過ごした事もあり、私が受けた印象は非常に強く、大きなものでした。ちょうど、私達がいた頃は、日本では「日本の技術力は、まだまだ、米国に負けていない」と言われていた反面、エクソンモービル社は連続して世界最高益を更新するなどしており、現在の米国の反映を象徴するかの様に思えました。パーティーではエクソンモービルの幹部の方々にお会いする事もでき、一般的に新大陸は開放的という印象もありますが米国の歴史を作って来た、その企業の気風というのは紳士的で格調高いものでした。「皆様宛」ではありますが、時たま送って下さるリチャード・ロックフェラー氏のメールも、(私は英語が苦手ではありましたが)気遣いのある丁重なものである様に感じました。
 その後もしばらく私は情報処理技術者として数学屋の様な仕事をしていましたが、米国式経営の顕著な発展の印象1 から、米国式経営を見習う事をお勧めしたつもりでしたが、当時は、まだ、理解される事がありませんでした。

20代の頃、オフィスにて
ネームプレート(守秘義務に関わるかも知れませんので一部黒塗りにしました。)

 そんな、辛い経験を経て、そういった事柄は諦めかけていましたが、ある時、流行り始めていたTwitterというSNSを始めて、現代的なゲイム理論の草分けであったトーマス・シェリング氏のTwitterを拝読するなどしていると、どういう訳か、私の書き込みを気に入って下さった様で、シェリング氏からTwitterアカウントをフォローしていただくという慶事がございました。(私はシェリング氏の書き込みに一回、賛辞を書き込んだだけでしたが、その後フォローして下さいました。シェリング氏の書き込みへの賛辞は世界中の一流の学者達からの賛辞で溢れますので、一度賛辞を送っただけの私の書き込みを見てくださっていた事には感激致しました。)そして、喜んだ私はシェリング氏の研究に関心を持ちましたが、結論として、「これこそが、現代日本に必要な経済学であり社会科学である」と確信するにいたりました。


[トーマス・C.・シェリング氏のアカウントより]

 しかしながら、シェリング氏は高名ながら難解な理論で知られる経済学者でもあり、海外を見てもシェリング経済学の研究は、ノーベル賞受賞者など一流の経済学者、政治学者、社会学者、心理学者等に限られています。日本では経済学の世界でもシェリング経済学研究の会長等を引き受けて下さる方は少なく、例えばノーベル賞受賞者級の方なら相応しいかと思ったのですが、残念ながら、ご承知の通り、日本にはノーベル賞を受賞した経済学者がおりません。「これでは、皆様が御辞退されるのも無理はない」と納得致しましたが、学問を推奨するのに実績のある学者である必要は必ずしもなく、例えば、多少なりご縁があれば会長等は務まりますので、致し方なく、SNSの書き込みを気に入ってフォローしていただいたという御縁がございます私が率先して、シェリング氏の経済学を皆様にご紹介しようと考えた次第です。
 当面は、シェリング氏の切り開いた学際性を特徴とする分野に関係する話題を発信する事で、シェリング的な学問への取り組み方を知っていただく活動を種として推進したいと思っています。



2024年2月15日 
日本トーマス・シェリング経済学協会 中村寿徳 


1 2007年の米国の国民総所得は14.7兆ドルで、日本の4.8兆ドルの約3.1倍でしたが2021年には米国が23.4兆ドル、日本が5.6兆ドル、となり、米国の国民総所得は日本の4.17倍となっています。また、中華人民共和国は、2007年には日本より少ない3.3兆ドルだったものが、2021年には17.7兆ドルで日本の約3.2倍の経済規模となっています。





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