トーマス・シェリング
経済学研究会




【会員短信】

駐日大使に聞くアゼルバイジャン共和国の政治、経済



 石油プラントメーカーの海外駐在員や取締役等をされていた知り合いの集まりで、駐日アゼルバイジャン共和国特命全権大使ギュルセル・イスマイルザーデ閣下とお話しさせていただく機会がありました。
 旧ソ連から独立したアゼルバイジャンは、石油等の資源輸出に産業の9割近くを依存する国として独立したのですが、大国ロシアと軍事同盟を結ぶ隣国アルメニアとの長期の「ナゴルノ=カラバフ紛争」を経て、西側の資金等も活用した産業の育成に成功し、現在は資源輸出に依存しない産業が半数を占める様な自立した経済を確立しているそうです。
 もちろん、資源輸出の分野でも経済的に注目すべき進展を続けており、石油や天然ガスについてロシアに依存しない独自の輸送ルートを確立しています。特に2020年に運転が始まったパイプライン「南ガス回廊」は、イタリアやギリシャにロシアを経由せずに直接天然ガスを供給しするもので、西ヨーロッパの天然ガス市場におけるロシアによる寡占状態を劇的に改善するものと期待されています。


(動画は、紛争当時、2020年の報道。※テレビ朝日)

 大使の言葉によると、今後も日本との関係を強化し、日本からの技術移転等を積極的に推進して行くとの事。
 決して、恵まれているとは言えない対外関係の中で、自立的な経済発展を続けているという意味で、興味深い国だと思います。また、2016年からは首都のバクーで、モータースポーツの最高峰として知られるF1グランプリが開催されています。


(2023年のF1アゼルバイジャングランプリ※DAZN Japan)

 また、大使からいただいたアゼルバイジャン産のワインの美味には癒やされました。




(2023年6月、駐日アゼルバイジャン共和国特命全権大使ギュルセル・イスマイルザーデ閣下と筆者。都内で行われた認定NPO法人の勉強会にて)





2023年6月18日 
トーマス・シェリング経済学研究会:中村寿徳 




トップページに戻る




inserted by FC2 system