トーマス・シェリング
経済学研究会




【会員短信】

駐日大使に聞くエルサルバドル共和国の政治、経済、社会政策



 自分も微力ながらお手伝いさせていただいております認定NPO法人のパーティで、駐日エルサルバドル共和国大使マルタ・リディア・セラヤンディア・シスネロス閣下とお話しさせていただく機会がありました。
 特に気になったのは、長期化していたエルサルバドル内戦が講和に至った経緯で、かつてトーマス・シェリングが言っていた通りの講和プロセスの様に思えました。シェリングを研究している方ならよくご存知の事だと思いますが、封じ込める事が出来ない様な脅威に関する見解でシェリングは強い反発を受けましたが、エルサルバドル内戦の講和プロセスはシェリングの見解を裏付けるもので、倫理的に見ても現在のエルサルバドル共和国の政治的安定は、講和プロセスが好ましいものであった事を物語っている様に思いました。
 また、経済、社会政策の面では、大使によると、エルサルバドルでは海外に出稼ぎに出る若者が多いものの、外国人労働者や移民で出ていくよりも国内で自国のために働いて欲しいと考えて、現在、産業を熱心に誘致しているのだそうです。
 やはり、日本の様な、どちらかといえば「富める国」に取っては、海外投資は、やはり、重要かも知れませんし、自国の若者を国内で雇用したい国々の社会政策への貢献という点で無視できないものかも知れません。



(2018年9月、駐日エルサルバドル共和国大使マルタ・リディア・セラヤンディア・シスネロス閣下と筆者。都内で開かれた認定NPO法人のパーティにて)


※この記事は2018年9月頃に筆者ブロクに掲載した記事の加筆転載です。



2022年7月8日 
トーマス・シェリング経済学研究会:中村寿徳 




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