日本
トーマス・シェリング
経済学研究会







興味深い事柄(孫子)

古くから日本でもよく知られている唐土の古典『孫氏』の虚実篇に、こんな言葉があります。

故策之而知得失之計

和訳:
ゆえこれはかりしかして得失之計とくしつのけい



※ 右の画像は国会図書館所蔵の室町時代末期の写本とされる『七書』に収録されている『孫子』より。


ゲーム理論風に、
「上記の戦略を取り、(相手の)利得戦略を知る(べきである)」
と言い換える事が出来ると思います。

『孫子』の歴史は古く唐土では紀元前から普及していたとされ、日本でも、西暦760年には、遣唐使として唐土に留学した経験のある吉備真備の下に『孫子』を学ぶ為に武官が派遣された記録が残っています。また、徳川家康は『孫子』から始まる『七書』を出版させて推奨し、江戸時代を通じてよく学ばれた様です。

この様に、古い時代から駆け引きの研究の要求は絶える事なく続きました。駆け引きの理論と言うのは空想や、机上の空論ではなく人間の歴史の要望に適合したものなのかも知れません。

実際に、経済学の世界でもゲーム理論は実用性と広い分野に適合する点で突出しています。(「ゲーム理論は経済学ではなく応用数学である」という指摘もありますが、トーマス・シェリングの経済学のの定義を基礎にすると、社会的な問題に応用数学を適用する事は、シェリングの定義に基づく経済学(私は、これを「シェリング経済学」と呼びたい。)の重要な部分を占める一部であると言えますので、「応用数学、特にシェリング経済学の主要部分」と言えると思います。)



(2018.11.25 掲載 中村寿徳)



発起人: 中村寿徳 (Schelling’s Twitter follower)




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